自由律句会 幸せます

山頭火の生誕地、防府市発信の句会です

第四回 選句結果 令和三年月十二月 

赤字は特選として選句

 

今日は鼻歌も浮かばない小春                 葉子

暖かい春の日なのに鼻歌も出ない、何を考えていますか?(田中)

 

 

 

隕石かなたから恋は落ちるもの                佐川 智英実

隕石のような恋!!凄まじいエネルギーを感じる恋ですが、そんな恋は冷めやすいとも言いますので、結末が気になります。(権代)

大気中で燃え尽きないで落ちて来るのが隕石、恋も燃え尽きないでいて欲しいと思います。(田中)

隕石と恋が合わさったところが衝撃的です。(葉子)

 

 

 

さてどうしよう雨のふる                   田中 美太

不意の雨か、或いは出かける予定があっての雨なのか、何れにしても悩ましい雨です。(秋山)

私も自転車しかないので雨の日は予定変更を余技なくされます(徳富)

 

 

 

満月になった身体が三日月にならない              権代 祥一

(荻島)

 

 

 

焼き藷(いも)一つの情けを蒙(こうむ)る              秋山 白兎

図らずももらってしまったものは食べるか・・・・って感じでしょうか?屁をふってもそれは自分の責任じゃないよーって開き直ってる感じがしました(権代)   

(田中)(荻島)

 

 

 

どうしよう私があなたに壊されていく             荻島 架人 

似たような思いを持った事があります。(徳富) 

 

 

 

 

忘れたいけど無理だけど 逢いには行けん          田中 美太

堂々巡りの気持ちがもどかしいです。(葉子)

 

 

 

大うそつきと知らずに叱られる                葉子  

叱られた相手が大噓つきだったと理解したが、そうしたことはしばしば経験がある。(秋山)

とても奥深い句、天にしようか悩みました。マイナスの出来事もこんなふうにユーモアある句にしてしまう作者の強を感じます。(佐川)

 

 

 

どん底より下がある事を知る                 徳富 ふみ 

どん底は最悪の底の底のこと、それより下を知ったあなたはある意味すごい、這い上がってきて下さい(田中) 

 

 

 

過去をみおくり夜を急ぐ                   荻島 架人

何かを忘れようと、眠りの中へ逃げていくのでしょうか?朝が来たら、前を向いて歩いて行きましょう(秋山)

振り返らず一人足早に進んでいく様子が浮かびました。(葉子)

 

 

 

最後のバナナがひとりぼっち                佐川 智英実

バナナを自分に投影して擬人化されているのでしょうか?残された黒い斑点の浮き出た黄色いバナナを容易に想像できました。(権代)

傷があるから残ったのか。かわいそうに思う(荻島) 

 

 

 

少し熱あり葛湯を溶く                   秋山 白兎

とろりとした葛湯のやさしさが伝わってきました。風邪のひき始めに頼れるものがあるって大事ですね。(葉子)

 

 

 

夕暮れの残り火と影を送る駅                葉子 

残り火が心に残り、影を送るが乗客を想像させる(荻島) 

 

 

 

 

地域一斉清掃でふるさとの絆を垣間見る           権代 祥一

地域の絆は大切です。良い故郷ですね。(田中)

 

 

大空からの手紙くれよ気にするな              田中 美太

どこまでも広い空からのたった一言。届いてほしいです。(葉子)

 

 

 

淋しさがもれないように布団をかける            荻島 架人 

周囲にさとられないように布団を被って咽び泣く・・・そんな感じですか?「淋しさがもれない」という表現がいいなぁーと思いました。(権代)

なんとなく分かる句です(徳富)

 

 

 

独りの鍋の豆腐踊りだす                  秋山 白兎  

自分も一人で鍋をしますが、その観察力がいいなぁーと思いました。(権代)

一人鍋のお供のようでかわいいですね。(葉子)

日常のささやかな幸せ、この連続が生きることだと改めて思いました。(佐川)     (荻島)

 

 

 

はなれとうない串だんご                  佐川 智英実

たとえが面白く気持ちが理解できる(荻島)

きっと、できたてで、ねばっているんだろうなぁ・・・三兄弟は仲がいいんですね。(権代)

団子三兄弟の歌がありました、兄弟愛を思いました、離れたくないものです(田中)

なんて愛らしいんでしょう。(葉子) 

 

 

 

寝たきりの母をまねて月を見る               荻島 架人 

母親の気持ちを慮る作者の優しい目線が表現されていて感動しました!!(権代)

お母様とお二人で、介護中なら、喜ばれていますよ。もし、失礼ながらお母様のことを思い出して、月を見ているのでしょうか?悲しくなっているのでしょうか?いずれにしても、切なさが伝わってきます。私も介護の経験を、父・母ともに経験しています。(田中)

山頭火大親友である俳人、木村緑平とかさなります。切なくて美しい句です。(佐川)

(秋山)

 

 

 

ポケットの煙草がしぐれに湿る             秋山 白兎

昔、煙草を吸ってた頃、そんなことがあったなぁ・・・と思い出しました。(権代)

 

 

 

ゆっくりしようただひとりあたたかく           田中 美太

年の暮れだからでしょうか、心にしみます。ペース配分が出来ずに、疲れてホットカーペットから起き上がれない自分に言いたいです。(佐川)

私もいずれ独り暮らしになりますがひとりでも気持ち温かくのんびり出来たら幸せな日々かな?と思います(徳富)    (秋山)(葉子)

 

 

 

野良猫の命預かり餌をやる                徳富 ふみ 

野良ネコに対する哀れみ優しい気持ちが素直に表れています。(秋山)

命預かりに作者の責任感の強さを感じます。食品の値上がりもあり、人も猫もいきづらい世の中です。(佐川)

もう飼い猫です。同じ釜の飯です。責任持って飼わねば、命大切です。(田中)    (荻島)

 

 

 

日影も日向もない病院のベッド              荻島 架人

「絶望という名の病院」・・・という自分の昔の句を思い出しました。その反対で「希望という名の病院」もあるわけで、この病院はどちらでしょう?絶望と希望の中間で「不安という名の病院」でしょうか?そんな感じがしました。(権代)

 

 

 

ペコリンとお辞儀するペコリン頭             権代 祥一

自虐にも受け取れますが、ペコリンが愉快です。頭を下げる素直さも大切だし、下げすぎも良くないしで加減が難しいですね。(佐川)